ご挨拶
このたびは、第57回日本平滑筋学会総会を、2015年8月25日(火)~27日(木)の3日間、山口大学小串キャンパス(医学部)総合研究棟で開催させていただく事になりました。会員の皆様には、歴史と伝統ある本会を主宰させていただきます事に、心から感謝申し上げます。
本総会のテーマは、「平滑筋研究の未来を拓(ひら)く」としました。
平滑筋は、消化器、循環器、泌尿生殖器など、多様な臓器に存在しているのみならず、発現している蛋白質や刺激に対する反応性も異なり、実に多様性に富んでいます。そして、平滑筋の研究者たちもまた、それぞれが多岐にわたる専門分野を持っており、実に多様性に富んだ集団と言えるのではないかと思います。この様に、多様性に富んだ平滑筋を研究対象として、これまた多様な分野の研究者が、基礎と臨床を問わず一堂に会するのが、平滑筋学会総会です。この様な事を考えているうち、本総会のテーマ「平滑筋研究の未来を拓(ひら)く」に続く言葉として、「多様性(Diversity)」が浮かびました。
しかし、平滑筋研究の未来を拓くには、多様性だけでは足りない様に感じました。それぞれの研究成果が一つの場に集まり、互いを知り、意見を交わす事によって、多様な人々・多様な研究が互いに連携する事が、平滑筋研究の進歩に繋がると考え、「多様性(Diversity)」に続く言葉として、「連携(Coordination)」を選びました。
第57回日本平滑筋学会総会では、「平滑筋研究の未来を拓(ひら)く」道標として、平滑筋ホスファターゼ活性調節の中心となるCPI-17を発見された江藤真澄先生(米国トーマスジェファソン大学)、腸壁内神経の再生・新生に希望の光を灯して下さった高木都先生(奈良県立医科大学)に特別講演をお願い致しました。また、「平滑筋研究の未来を拓(ひら)く」新しい試みとして、シンポジウムを公募としました。その結果、良い意味で総会事務局の期待を裏切る構成となりました。さらに、「平滑筋研究の未来を拓(ひら)く」礎となる若手研究者や学生の参加を促すため、これまでの優秀演題賞候補講演の中に「学生部門」(大学院生+学部学生)を設け、また、恒例となった若手の会のシンポジウムも前回大会と同様に軽食の提供を継続致しました。
本総会が、平滑筋学会会員の皆様にとって有意義なものとなり、テーマ通り「平滑筋研究の未来を拓く」ようになる事を、心から願っております。
第57回日本平滑筋学会総会
会長 小林 誠(せい)
(山口大学大学院医学系研究科 生体機能分子制御学 教授)